10月10日の午後2時半ごろ、山健組本部に隣接する駐車場の向かいに、大阪府内ナンバーを付けたシルバーの乗用車が止まっていた。

不審に思った山健組側が、張り付け警戒に当たっていた兵庫県警生田署の警察官に職務質問を要請。
乗車する男に対して警察官が職務質問を行うと、男はマスコミを名乗り、車内への捜索にも応じたという。

 そこへ山健組直参と、本部に来ていた三代目宮鉄組・佐藤隆保組員(43)、部屋住みの福富組・中川健司組員(39)の3人も駆け付け、男に詰め寄った。

両者が対峙する格好となったそのとき、男は隠し持っていた拳銃を取り出し、至近距離から発砲。
佐藤組員は胸に、中川組員は首付近に被弾して倒れ込んだ。

 佐藤組員は防弾チョッキを着用しておらず、胸に受けた銃弾が体内にとどまり致命傷となった。中川組員は防弾チョッキを着ていたが、無防備な喉を撃たれ、大量の血を吐き続けて瀕死の状態だった。

 事件を起こした男はその場で取り押さえられ、無傷で済んだ直参が男の鞄を遠ざけた。その中に、もう1丁の拳銃が入っていたのだ。

 本部から飛び出してきた組員らは被害者を介抱する一方で、男に対して“制圧行為”に出たという。
拡散された写真の中で、犯人の顔が腫れ上がっていたのは、そのためだったと思われる。

「山健にしてみれば仲間の組員がやられたんやし、当然のことやろ。警察がおったから、犯人は死なんで済んだようなもんや」