連日、猛暑日が続いているが、ヤクザたちも他人事ではない。
ヤクザ社会には昔から「義理事」というものがある。
親分衆たちは義理場まで車で乗り付けることができるが、若い衆たちはどんなに暑い日でも立って整列していないといけないのだ。

しかも真っ黒のスーツである。
暑くないわけがない。
汗びっょりとなり、濡れたカッターシャツから刺青が透けている若い衆もたくさんいる。
ちなみに牧野親分は、かつて素肌にサランラップを巻いて義理場に来たこともあり、全身が透けていたのだ。
もちろん、チンも透けていた。
それはまるで、ラップをして電子レンジで温められたソーセージのようである。
これが、電子レンジで温めることを「チン」と呼ぶ由来なのだ。