ヤクザが攻撃をされたら、どう対応するか?
正解はひとつで「返し」と呼ばれる復讐をすることである。
ヤクザには「血のバランスシート」という論理があり、一人やられたら、同程度の相手に仕返しをして、ようやくパワーバランスを取れるという等価交換の原則だ。
そうしないとメンツが立たないのだ。

もちろんそれは、牧野親分も同じである。
組員たちにも日頃から「目には目を、歯には歯を、チンにはチンを」という言葉を口酸っぱく言っていた。

そして「ヤクザは舐められたら終わりだが、チンを舐められたらお返ししろ。返しは大切だ」というのも、牧野親分の持論である。
松葉会の組員はその教え通り、チンを舐められた際は、必ず相手のチンを舐め返していたという。
これは「チンのバランスシート」と呼ばれていたのである。