【山口組三国志 織田絆誠という男】

溝口 敦 著 講談社より好評発売中


日本最大の暴力団が、いま、最大の危機を迎えている。暴排条例による外圧、先細るシノギ、半グレら新勢力の台頭―。相剋を繰り返す闇社会の巨艦にあって、ついに新世代の改革者が立ち上がる。数々のドンの肉声をとらえ続けてきた著者、ヤクザ取材半世紀の集大成!

2017年4月30日、それまでの「神戸山口組」を割って出て、「任侠団体山口組」(その後「任侠山口組」と改称)が尼崎で結成された。
代表に就いたのは神戸山口組で若頭代行だった織田絆誠である。
ここに山口組を名乗る団体が三つ存在し、三派鼎立の状態が生まれた。
今後、三派のうちどこが勝ち残り、どこが生き残るか、「山口組三国志」という物語が始まっていく。
ヤクザ、暴力団が新しい枠組み、規範を求めているのは確かである。
それにどこまで応えられるかが、生き残る組織を決めていくのではないか。
つまり山口組は内外ともに危機を迎え、時代の曲がり角にさしかかっているから、三つの山口組の鼎立状態、つまり
「山口組三国志」が生まれたとも考えられる。なんらかの新しい方法、システムを手にしなければ、彼らの明日どころか、今日がないのだ。
(「序」より)