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 警察当局がヤクザに対する取り締まりを強化させる中で、現場の組員では新たなる苦悩が生まれていると関係者らは話している。
 それは現在、警察当局が進める組事務所の使用差し止め仮処分にまつわるものだという。
「こんなことを言ってたら怒られるが、本音をいえば事務所の使用制限は現場の人間にとっては、渡りに船のところもあった。
ウチは事務所が遠いので、当番に入るには身体を取られるだけではなく、交通費といった金だってかかる。それがなくなるのは実際、助かると思っていたが現場では次の問題が生まれている」(関係者)
 関係者の言う次の問題とは一体何なのか。
「どこの組織でも現在、事務所を差し止めされたときの対応策が練られている。その対策の一つに差し止めされる前に、事務所に組員の住民票を移しておくというのがある。
これが問題なのだ。現場では誰も事務所に住民票を移したがらない。誰にその役が回ってくるか現場では戦々恐々としている」(同関係者)

 その他にも、現場では別の声も上がっているというのだ。それは移籍後のことだという。
ある幹部は現在の状況をこのように話す。
「移籍前は当たり前だけど良いことを言われるわけ。ウチに来れば当番も会費も免除でいいよ、月に1回寄り合いだけ顔を出してくれたらよいとか。
でも実際2、3ヶ月もすればそうもいかない。空気というか、なんであいつは当番免除なんだ、会費免除なんだといった雰囲気がひしひしと伝わってくるんだ。
申し訳ないから、じゃあ1度くらいはと当番に入ると次の月からは、しっかり当番に組み込まれていて、会費や臨時徴収なんかもそう。結局は同じ。
ま、ヤクザなんだから仕方ないことなんだけどね」
 この幹部が話すには、自軍へと引き込まれる際には良い言葉を言われる。だが結局、時間が経てばどこも変わりはしないと話しているのだ。

 上層部には上層部の、現場には現場のこうした苦悩が分裂後、続いているといえるのではないだろうか。