時事通信社
ハッカーから顧客情報入手か=偽造カード、暴力団関係者ら−ATM18億円引き出し
 17都府県のコンビニの現金自動預払機(ATM)から約18億円が不正に引き出された事件で、
犯行グループが偽造カードに悪用された顧客情報を、ハッカーから入手していた可能性があることが
27日、捜査関係者への取材で分かった。
 犯行グループのメンバーには暴力団関係者が含まれており、
福岡、千葉など5県警が26日に指定暴力団山口組弘道会本部(名古屋市)や指定暴力団住吉会本部(東京)などを一斉捜索。
偽造カード作製に悪用された南アフリカの銀行の顧客情報の入手ルートの解明を急いでいる。
 事件は2016年5月に発生。偽造カードを使ってコンビニから一斉に現金が引き出された。
偽造カードには、南アフリカのスタンダード銀行の顧客情報が書き込まれていた。
 捜査関係者によると、犯行グループがハッカーと接触し、スタンダード銀行の顧客情報を入手。
データが入っていない「生カード」に情報を書き込んだ疑いがある。
警察当局は全国に指名手配した準暴力団「関東連合」の元メンバーで、弘道会と近い40代の男や
その周辺人物が顧客情報入手に深く関わっているとみて、行方を追っている。
関東連合の元メンバーらは振り込め詐欺の仲間らを、現金の引き出し役の「出し子」として使っていたという。
犯行の計画から実行まで役割分担が徹底されており、暴力団が関与した組織的な犯行とみられている