■カジノ誘致を狙う「横浜のドン」

 カジノ誘致を見据えた横浜市の動きも急だ。横浜市長の附属機関として「横浜市山下ふ頭開発基本計画検討委員会」を設置し、今年3月までに3度、委員会を開いている。
そこでの発言内容はなかなかに生々しいもので、昨年9月に行われた第1回の委員会では、ある委員がこう口にしている。

〈やはりハイローラー、1億円以上使うような、これが来なければダメですね〉(会議録より)

 発言の主は、港湾荷役業「藤木企業」社長の藤木幸太氏。
氏の父親、同社会長で横浜港運協会会長の藤木幸夫氏(84)は、横浜エフエム放送の社長など地元企業の役員も多数兼務する「横浜のドン」だ。

 その昔、荒くれ者の港湾人夫を束ねる港湾荷役業はヤクザや愚連隊と切っても切れない関係にあった。
藤木幸夫氏は自著『ミナトのせがれ』の中で山口組三代目田岡一雄組長のことを“田岡のおじさん”と呼び、

〈田岡のおじさんが帰って行くと、外で待ち構えていた神奈川県警の刑事がすぐに親父(藤木企業創業者の藤木幸太郎氏)のところへ来て、「今、田岡が来て何を話したんだ」と聞く〉

 といった記述もある。その藤木幸夫氏と菅氏の間には深い関係があった。

https://www.dailyshincho.jp/article/2015/05180815/?all=1