沖田臥竜が小説家を目指すきっかけは、通算で12年間という懲役にあった。彼はコンクリートの小部屋で、ただ一人、貪るように本を読んだという。そして、小説の魅力に取り憑かれ、いつしか、「自分でも書きたい」と思うようになっていく。

 それからは、文章を読むことと、書くことの毎日、彼の頭の中には創作への意欲しかなかった。

 何よりも、書くことへの思いの強さと、それを継続させた彼の努力が、作家「沖田臥竜」の原点なのだ。

『生野が生んだスーパースター 文政』の主人公である「文政」は
実在する人物である。大阪、いや関西のアウトローで彼の名を知らない者はいないだろう。

 私の知る「文政」はまさに暴力の権化と呼べる男だが
彼を理解する者に言わせると、型破りだが魅力的な男でもあるらしい。

 著者の沖田臥竜は、その「文政」とは兄弟分であり、彼の良き理解者でもある。
現在、主人公の「文政」は服役中である。
兄弟分が自分を主人公に書いた物語を、獄中で手にした時
果たして彼はどんな顔をして何を想うのだろう。

(文/猫組長)

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