0005スペースNo.な-74
2017/06/24(土) 22:29:51.82それは午後の昼下がりだ
店内は客も少しだけ減ったぐらいの時間が狙い目
シルバースーツを着こなしたおれがスターバックスに入ると
さらに店内の敷居が上がる気がした
コツコツと高級革靴を鳴らしながらカウンターに向かう
決まっておれは頼むものがある
「バニラクリームフラペチーノにカスタマイズ。
エスプレッソショット。あと、シナモンパウダーもね」
これでウィンクする
店員はばっちり笑顔が咲く
(ハイセンスな貴方にお似合いですね)
(そうだろう?)
席につくとおれはipadを取り出して予定表やプロジェクトを眺める
「あのう・・・新作のケーキなんですけどいかがですか」
店員が紙カップの中のオレンジ色のケーキを差し出す
「ありがとう。そこに置いてくれるかな」
飲み頃のフラペチーノに口をつけて店員が頬を赤らめながらコーヒー豆をドリップする姿を眺める
やれやれと苦笑してロレックスを見るとそろそろ商談の時間だ
プロフェッショナルに生きる男にはスターバックスはぴったりなのだろうと確信したよ