0029スペースNo.な-74
2013/08/22(木) NY:AN:NY.AN同級生がすし屋やってる。
そのお父さんとも親しくて、小さいころから親に連れられてお店にも行ってた。
息子である同級生は一時期は家業を継ぐことに反発して、しばらく親元を離れていた。
その後いろいろあってすし屋になることを決意、修行を始めた。
いい跡継ぎができたねえ、なんて言っていた矢先に、お父さん急逝。
同級生の修行も「ようやく寿司を握れるようになった」ところで
宙に浮いた形になってしまった。
お父さんと同じ酢飯が作れない状態。
同級生はお父さんの酢飯をどうしても作りたかった。
なんか試せば試すほどお父さんの味がわからなくなるという
状態に陥ってしまった。
そこで常連さんたちの中で白羽の矢が立ったのが自分。
どうも自分の舌は食べなれた味を基準にして
わずかな違いが感知できるらしい。
お父さんが昔から「(自分)ちゃんの舌はごまかせない」と
言っていたらしい。
すし屋の営業の傍ら、少しずつ配合とか作り方を試すのにつきあって、
「これだ!」というものが作れたのが去年、ようやく最近その味を
安定して作れるようになってきた。
先日お父さんの命日だったので常連さんが呼ばれて
お寿司を振る舞われた。
同級生もがんばったけど自分もちょっとかっこよかったと思ってる。