高木さんは意外そうな顔をしてすぐに少し悲しそうな顔をした。
「そっか。西片はそういうタイプが好みなんだ?」
「ああ、そうだよ。」
正直少し気まずかったが言ってやった。その満足感で俺は満たされていた。
それ以来高木さんが俺に話しかけることは無かった。
席は隣同士だったが、あいさつもしなかった。
しばらくして席替えがあり高木さんは遠くへ行ってしまった。
2年生にもなるとクラスも別々になり、会う機会も自然と無くなった。
あとで知ったが北条さんには高校生の彼氏がいた。

俺はもやもやした中学生活を振り切れることもできずただ意味もなく過ごした。
高校に入ると一応人並みに彼女ができたが、大学進学とともに自然と別れた。
俺はたまたま受かったDラン短大の体育学部で中学の教員を目指すことにした。
JCが好きという無粋な動機だ。今時の教員はモンペ問題だのブラック部活だの給与削減だの
ろくな話がない。無粋な動機でもなければなり手はいなかった。
俺は最低限の単位だけ取ってろくに何もしなかったがすんなりと受かった。

教師になり2年目も終わろうという年の瀬同窓会の手紙が届いた。
(そうか4年大行った奴らは今が卒業なんだな。)