アベノミクスの「負の遺産」、低生産性と非正規依存の労働市場
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e336c78058cdea8958bbe10c3f9600a6e0358cc?page=3

アベノミクスとは何だったのかを考えるにあたって、
一番簡単なのは、アベノミクスが始まった2012年と19年を比較してみることだ。

12年では中国のGDP(国内総生産)は、日本の1.4倍だった。ところが、
19年、中国のGDPは日本の2.9倍になった。つまり、乖離が2倍以上に拡大した。
12年のアメリカのGDPは、日本の2.6倍だった。
ところが19年には、アメリカのGDPは日本の4.0倍になった。

12年の国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングで、日本は27位だった。
これでも決して高いランキングとはいえないのだが、
20年版では、日本は過去最低の34位にまで低下した。

デジタル技術では、日本は62位だった。
対象は63の国・地域だから、最後から2番目ということになる。

毎月勤労統計調査によれば、2012年の実質賃金指数は104.5だった。
これが19年には99.9となった。7年間で4.4%の下落だ。

13年1月から20年1月の間に、雇用者は約504万人増えたが、
その64%にあたる322万人は、非正規雇用者だ
結局のところ、「企業の売上高は8.4%増加したにすぎないが、
非正規雇用者を増やすことによって人件費の伸びを4.9%に抑えられたので、
営業利益が約40%増加した」ということになる。

結局のところ、アベノミクスとは、生産性を向上させることなく、
非正規の低賃金労働に依存して企業利益を増やし、株価を上げたことだった。