流石に敵もそのまま上陸させる気は無い様で、防衛するMS達が視認出来た。ガンタンク2が複数、それに樹林の陰に潜むスナイパータイプのハイザック…。
 この分だといくらか掃除が必要そうだ。
「確認出来たか?」
『ああ。炙り出す!』
 リックディアスのキャノンが樹林に放たれた。転がるようにハイザックが出てくる。それを支援する様にガンタンクからの集中砲火が始まる。
『旧式共が張り切ってんなあ!』
 砲弾の雨をかいくぐりながら撃ち返すサドウスキー大尉。しかしまだこちらの射程距離とはいえず、若干精度に欠く。
 私も両肩のシールドで砲撃をいなしながらも、まだ攻めあぐねていた。
「近接格闘仕様だとこういう時辛いな」
『それでも距離を詰めちまうんだろう?』
「プレッシャーだな」
 それを聞いて笑う大尉の声を聞きながら確実に距離を縮めていく。敵がリックディアスの砲撃射程距離に入った辺りで、私はSFSのブースターを全開にした。
 察した大尉が敵の射線を砲撃で乱す。隙間を縫い、SFSをガンタンクの1機に突っ込ませ爆散させる。そのまま自機のバーニアで体勢を整えると、遂に私は敵地の土を踏んだ。
 近くに見えた別のガンタンクに向け、分割したナギナタの上部を下手で投げる。縦に回転しながら飛んだナギナタは、敵を頭から胸にかけて両断した。