グラハム「いや、違う! ザクヘッドの下のボディ……あれはまさしくZガンダムのもの! Zザクだ!」
フェリーニ「つまり……ということはまさか……」
クワトロ「乗っているのは君か! カミーユ・ビダン!」
カミーユ「ええ。そうですよクワトロ大尉」
ジュドー「カミーユ兄!」
カミーユ「……悪い、遅くなったなジュドー」
ジュドー「ホントだよ! ったく、俺がどんだけ苦労して粘ったと思ってんのさ!!」

フェリーニ「こ、これは一体どういうことでしょうか! 首を刎ねられたはずのZガンダム、それがまさかザクヘッドで復活するとは!」
カミーユ「さすがに頭がないのは色々不便なんでね。さっきお二人がクロスボンバーで破壊したザクの首を使わせてもらいましたよ」
クワトロ「なにっ? しかし、この短時間でどうやってそんな修理を……」
ジュドー「へへっ! こんなこともあろうかと、コッソリ専門家に修理を頼んでおいたのよね」
アムロ「専門家だと!?」
イーノ「僕です!」
 
 そう言ってリングの下からひょっこり姿を現したのは、
 日登町イチのZザクマニア、イーノ・アッバーブだった。

ジュドー「ありがとね、イーノ。バレないようこっそり作業してくれて」
カミーユ「影の薄さが役に立ったんじゃないか?」
イーノ「うぐっ! 人が気にしてることを……」
クワトロ「ひたすら倒れず粘ったのは、我々の目をZガンダムから逸らすための作戦か……!」
アムロ「ジュドーめ、一度ならず二度までも小癪なマネを……!」

フェリーニ「さあ、Zガンダム改めZザクの復活で俄然熱を帯びる日登町武道館。ミンチになっていたイオも復活し、仕切り直しです!」
イオ「おいカミーユ! 生身の人間をMSで蹴りやがって……ホントふざけんなよお前!」
カミーユ「すみませんイオ兄さん」
イオ「ったく。……まあ、復活してよかったよ。でなきゃこうして恨み言も言えないものな」
ジュドー「しかしよく戻ってこれたねカミーユ兄も」
カミーユ「フォウとロザミィのお陰さ」

 ちらと観客席を見ると、そこには同じように現世に戻ってきたフォウとロザミアの姿があった。
 カミーユは二人にだけわかるよう、小さく手を振った。

ロザミア「行け、お兄ちゃん!」
フォウ「自分を乗り越えて、カミーユ!」
イーノ「行け〜Zザク! おまえはZガンダムより強いんだってこと、僕に見せてくれ〜!」
ミネバ「がんばれ、がんばれZZZブラザーズ!」
フェリーニ「会場から投げかけられる熱い声援! これぞまさにアイドルニュータイプ軍団の面目躍如だ〜〜〜!」

カミーユ「二人のため、いや、応援してくれるみんなのために! この試合絶対に勝つぞジュドー!」
ジュドー「OK。ここからが本当のニュータイプの修羅場だ!」


 次回、勝利の女神はどちらに微笑むのか……?