福井 核兵器並みの恐ろしいものですよ。何しろ、アクシズという巨大な隕石を押し返すほどのパワーを持っていますから。

――でも、以降の作品である『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』や『機動戦士ガンダムF91』には出てきませんよね?

福井 そう、不気味なほどなくなっているんです。きっと何かが起こるんですよ。

――そのあたりの構想もすでに考えられているのでしょうか?

福井 『ガンダムNT』の話では終わった感じがしないでしょう?(笑)
山ほど宿題が残ったままなので、これから決着を付けなければならないなと思っています。

福井 順を追っていくとわかると思うのですが、要するにサイコフレームというのは、近くで死んだ人の魂を吸収してしまうものなんです。

福井 より深くお話するために説明すると、人の体と魂というのは、言わばパソコンとWi-Fiの関係に近いものだと思うんです。
パソコンが人の身体で、Wi-Fiが魂。Wi-Fiが飛んでいるからパソコンがネットに繋がって情報を見たりできるけれど、
Wi-Fiが途切れるとパソコンはネットに接続できないですよね。
それが死んだ状態なんです。そしてふつうの人というのは、身体と魂はあるけれど自分がネットにつながっていることを知らない状態。
せいぜいが第六感で、気持ち悪いことがわかるくらいなものなんですよ。
ところが、ニュータイプというのはWi-Fiに常時つながっていられるパソコンのようなもの。
ネット……天界とも言える場所にある膨大な情報を自由に自分に引き寄せて、過去も未来もわかるから、敵の弾も避けられちゃうんです。

福井 人間が宇宙に行くと、生きるために細心の注意を払わなければならなくなるので、周囲に対して感覚が開かれ、研ぎ澄まされていきます。
それがつまり、自分がWi-Fiにつながっていることを感知できるようになるということ。
人間が宇宙に上がるとニュータイプになるというのは、きっとそういう仕組みなんです。