キラは失礼を承知で質問を質問で返した。

「失礼ですがあの化け物は一体何ですか? 僕はあんな物見たこと無い」

その言葉に榮二だけでなくMPも驚きの声を上げる。

「何!? 貴様、BETAも知らんのか!?」

その言葉にキラは再度問いかけた。

「あの……ベータとはそれにあのMSモビルスーツは?」

その問いに巌谷は唖然とした。

(全く言葉が噛み合わない……この様子から察するに本当にBETAを知らないのだろうが……それにあの戦術機だ……我々の概念では『空を飛ぶ』などと言った概念は存在しない。
何せレーザー級がいる戦場で飛行など常識を逸脱して自殺行為だ。それに戦術機の事を“モビルスーツ”と言った。英語略でもTSFの筈だぞ!? 何だこの少年との会話は!?)

キラもキラで唖然とした。

(何なんだこの状況は……全く会話が成立しない所か疑問が溢れ出てくる……)

暫く当事者2人が思考していると2人同時にある結論に至る。

(あり得んが……万に一つ、いや、億に一つの可能性だが……)

その言葉と共に巌谷は席を立つと通信する。

「巌谷だ、その戦術機について何か解ったか?」

その問いかけに整備班長が困惑気味に答えた。

『正直、我々の手に余りますよ……機体は突然白から灰色になったかと思えば官制ユニットは球体式でOSを起動しようとしたらロックが強力で我々では解除できる代物じゃありませんよ!! アレは何です!?』

その言葉に巌谷は苦笑しながらこう言った。

「それは私が知りたい位だ……」

『は?』

「いや、何でもない。忘れてくれ。もう、調査はいい後は私がする」

巌谷は首を振りながらそう言った。

巌谷はキラに1時間空けると言い残すとフリーダムの調査を開始した。