前を歩く男性を見つめながらキラは思う。

(本当にココは何処なんだろう? 回りは荒れ果てた荒野、そして、あの気持ちの悪い化け物……そして、化け物と戦っている人達……軍隊なのは理解できるけど東アジア共和国軍でもましてやオーブですらない……
それに、機体にしても地上での機動性はあるけど総合的に見たら物足りない機動性……しかも、機動性を重視しているのにあの重そうな装甲……
それに、あの化け物と戦うのには口径が小さすぎる実態弾……音や口径から見て40ミリ位かな……弾数を稼ぐ為だろうけど……威力が低すぎる……実態剣にしても高周波振動してない……何なんだろう……一体……)

キラが考えながらもチラリと左右を見る。

其処にはアサルトライフルを持ったMPが両脇と後方を固めていた。

暫く歩くとテントの前に案内されその中に2人は入る

「さて、自己紹介をしよう。私は巌谷 榮二、階級は少佐だ」

キラはその紹介に自分も名乗る。

「キラ・ヤマトです」

キラは榮二を見つめながら考える。

(少佐……明らかに軍では高い地位にいる人間だ……この人はこの部隊の指揮官かな?)

キラが思考に入ろうとした時、榮二が問いかけた。

「さて、先ずは我が部隊を壊滅の危機から救ってくれた事は感謝する。有難う」

そういい、榮二は深々と頭を下げた。

「いえ、あの状況ではあれがベストでした」

キラもそう言うに留めた。

そして、次の瞬間、榮二は鋭い眼光でキラを睨んだ。

「君は何者かな? そして、あの戦術機は何かな?」

その問いかけにキラも考える。

(戦術機? あの機体の総称かな……)