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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

高い期待を裏切り、登場人物が全員アホ

「ガンダム童貞」を捨てるにあたってこの作品をガノタに一押しされたので、背景設定を解説する友人を隣に据えて観た。

それまで自分にとってガンダムという作品は、今でも語り継がれる傑作SF作品だった。
子供騙しのロボットものではなく、登場人物たちの複雑な心理や信念をもった行動、組織と組織の思惑の絡み合いや、戦闘ではなく戦争を描いたような重厚な戦記モノとして評価されている作品だという印象を持っていた。
結論からいうと、それは自分の幻想だった。あやふやなイメージでしかなかった。自分で勝手にハードルを上げていたに過ぎなかったのだ。

登場人物は国の指導者レベルまで含めて全員致命的なアホしかいない。小惑星を地球に落としたテロリスト相手に「停戦するからもう一つ小惑星を売ってくれ」などという要求をなんの疑問もなく受け入れ案の定裏切られる。
現代に例えれば、突如ドイツに復活したカリスマのヒトラーがフランスを滅ぼして「核兵器を売ってくれれば停戦する」との申し出に喜んで国連がそれを同意するような感じだ。

シャアというガンダムを知らない人間ですら知ってるカリスマも、公私混同甚だしいヤベェ思想家で作中でもそのロリコンぶりが登場人物間ですら閉口されている。
登場人物が戦闘がガンガン死ぬ割に悲壮感がまったくない。

所詮は日本アニメのよくあるご都合主義ロボットアニメだった。(まぁこれが基本になっているのだから当然か)
それどころか中途半端に戦記モノのような硬派な雰囲気を気取っているせいで、非常に見てていびつな印象すら受ける。いっそバカ向けに、それこそなろう小説みたいなシナリオにしてしまえばいいのに。

大人になってガンダムデビューして、これを純粋に楽しめるほどの童心を、俺は持ち合わせてはいない。