暴漢は白足袋を脱がした足を掴むと、踵から土踏まず、そして足指までをベロリと舐め上げた。
足指の股の辺りはより丁寧にしゃぶった。塩っぱ苦い味だった。足裏を伝う暴漢の舌がナメクジ
の様に感じられ「嫌ぁーっ!」と声に出したがくぐもった呻き声にしかならなかった。
暴漢は更にもう片方の足を掴むと再び白足袋に包まれた親指を口に含んだ。何時まで続くのか判
らないこのおぞましい感覚に志保が戸惑っていると、暴漢が脱がせた足袋をまた足に履かせ直し
た。そして縛ってあった足首の縄を解いた。足は自由になったが上半身は縛られたままだ。
すると今度は今まで足を吊っていたクレーンのフックに背中に回した腕をくくりつけた。
そしてクレーンを操作して志保を高さ30pほどに置かれた2m四方の鉄板の上に乗せた。
「今から踊ってもらうよ」
暴漢はそう言うと鉄板の下に置かれたバーナーに火をつけた。鉄板の厚さは2pも無いだろう。
徐々に熱せられる鉄板の上に白足袋で乗せられた志保は恐怖した。
「ングゥー! ンヌヌ!」
声にならない声で訴えてみるが、暴漢はニヤリとしたままだ。そうしている間にもどんどん
鉄板は熱くなってくる。志保はじっとしていられず片足立ちで堪える。しかしすぐにもう片方
の足とチェンジする。足の全面ではなくつま先立ちしてみたり、踵で支えてみたりを左右の足で
交互に行う。そうしてみてもどうしようもない熱さになってきた。