茶道の先生は古風な名前で志保といった。裏千家の家元であったがまだ35歳だ。
その志保が暴漢に捕えられ工場内でいたぶられていた。暴漢は白足袋に包まれた志保の
足指を舐めしゃぶると続いてこはぜを外し、右足からスルスルと脱がしてしまった。
「どうだい先生?ご自身の香りを嗅いでみるかい?」
そう言うと、志保の鼻先に脱がした白足袋を持ってきた。屈辱以外の何物でもないその愚かな
行為に志保は顔をそむけ息を止めたが、口を塞がれ鼻で呼吸をするしかない今の志保はものの
15秒も持たなかった。吸い込んだとたんに自分でも脂性を悩んでた事もあり、馴染みある臭い
が鼻の奥を刺激した。
「どうだい、見てみろよ。こんなに汚しちまってよお。臭いもキツイよなあ。ツーンと沁みる
 だろ?くっせえよなあw 誰がこんなに臭くしたかね?」
真っ黒く汚れた白足袋を茶化され、更に自分の臭いをなじられる。志保の目からは一筋の涙が
こぼれた。