メインはどうなってしまうのか、どんな気持ちで試合を見ればいいのか。
そんなネガティブな空気を振り払おうとする竹下のマイク。
ここで観客の気持ちを掴んだことが試合中の追い風にもつながった。
能力が高すぎるがゆえに、相手への判官贔屓がつきものだった竹下。
だがこの日、潮崎という強敵と自身のマイクで、真のエースとしての輝きを身にまとったと言える。

潮崎に勝ち、その翌日にタッグトーナメント優勝、さらにその約2日後にCIMAをフォール。
凄まじい結果の残しっぷりに、竹下自身も「こんなレスラーいないでしょ」。2.17両国には絶好調で臨むことになりそうだ。

後楽園での伊藤麻希戦も、竹下の懐の深さを感じさせる試合だった。D王GPでの青木真也との試合も高評価を得ている。
女子レスラーともMMAファイターとも名勝負を残せるのが今の竹下幸之介。
独自の世界観を持つ王者・佐々木とのタイトルマッチは相当に“奥行き”のある試合になるのではないか。

文・橋本宗洋
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