首相長男会食時の音声、総務省幹部の声と認める 放送事業の会話は「記憶にない」 - 産経ニュース
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2021.2.18
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衆院予算委員会理事会に臨む与野の理事ら。中央は金田勝年委員長=18日午前、国会内(春名中撮影)

 総務省は18日午前の衆院予算委員会理事会で、菅義偉(すが・よしひで)首相の長男が関与した総務省幹部の接待問題をめぐり、
「文春オンライン」が前日に公開した会食時の音声が秋本芳徳情報流通行政局長のものであると認めた。
ただ、首相の長男が勤める「東北新社」の衛星放送事業に関する会話については秋本氏が「記憶にない」としていると述べた。

 野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の辻元清美副代表は「組織ぐるみで隠(いん)蔽(ぺい)しようとしている」と反発。
報告内容が不十分で質疑ができないと主張し、予算委は予定されていた午前9時を過ぎても始まらず、開催の見通しは立っていない。
野党側は、長男の国会招致も要求した。

 秋本氏は昨年12月、東北新社に勤める首相の長男や同社の子会社社長と会食。
今月10日の予算委では「東北新社の事業が話題にのぼった記憶はない」と答弁していた。

 だが、文春オンラインの音声データでは、会食時に長男が「BS」「スター(チャンネル)」などと放送事業に関する用語を話している。
この発言に続いて、秋本氏は総務政務官を務めていた自民党の小林史明ワクチン担当大臣補佐官を話題にしている。
野党側は「(音声が本物なら)総務省が嘘(うそ)の答弁をしてきたことになる」として、音声データの真偽の確認を求めていた。

 総務省の原邦彰官房長は18日の予算委理事会で、秋本氏は長男らの「BS」などの発言は「記憶にない」とする一方、
小林氏に関する発言は「私の音声かと思われる」と認めた、と報告した。
 また、秋本氏以外も含めた幹部と東北新社側の会食の件数や負担額に関する調査結果について、22日午前に報告するとも述べた。
総務省は会食は利害関係者からの供応接待にあたり、国家公務員倫理法違反にあたる可能性があるとして調査している。