【東京五輪】菅首相は川淵会長案を事前了解…「透明性を」どの口が?|日刊ゲンダイDIGITAL
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「ルールに基づいて透明性の中で決定するべきだ」
 女性蔑視発言で辞任表明した東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の後任人事について、12日夜、首相官邸で記者団にこう語った菅義偉首相(72)。
森会長が後継指名し、一度は新しい会長を引き受ける方針だったものの、世論批判を受けて辞退した日本サッカー協会(JFA)相談役の川淵三郎氏(84)
をめぐるドタバタ劇について言及したのだが、
菅首相が「ルールに基づいて」とはよく言えたものだ。

 菅首相が自民党総裁に決まった昨年9月の党総裁選では、新型コロナの感染拡大を理由に通常の総裁選で行われるはずの党員投票が行われなかった。 ←★
この“ルール違反”は、総裁選に出馬し、地方で人気が高い石破茂元幹事長(64)を抑え込むのが目的ではないかと報じられ、 ←★ 
地方議員などからは当時、「党員の声を聞け」「密室談合ではないか」との批判の声が上がったが、そのまま総裁選は強行された。 ←★ 
結局、党内7派閥のうち最大派閥の細田派や麻生派、竹下派、二階派、石原派の5派閥の支持を得た菅氏が圧勝した。この総裁選と今回の森会長の後継指名人事をめぐる不透明さは、まったく同じ構図と言わざるを得ない。

 川淵氏は11日、話し合いを持った森会長からは小池百合子都知事や、菅義偉首相らの了解を得て説得されたと、こう明かしている。
「後をお任せするには川淵さんしかいないと。例えば小池都知事や菅総理、安倍さん、みんなに話して。
 武藤事務総長も『川淵さんならいい』と。菅さんなんかは『もうちょい若い人いないか』『女性がいないか』という話があったようで」

 つまり菅首相も「密室談合」による川淵新会長人事を事前に報告され、渋々とはいえ了解していたことになる。 ←★
「透明性の中で決定するべき」「国民が納得できるような手順を踏んで決定するのが大事」というのであれば、
森会長から相談された時点でそう言うべきだろう。
12日に「もっと若い人、女性はいないか」発言の事実関係を記者団にツッコまれた菅首相はゴニョゴニョと口を濁すだけ。
「あの、川淵さんとは話していません」などと質問には正面から答えず、冒頭の「ルールに基づいて…」発言を繰り返すのみだった。

 今になって菅首相が「ルール」や「透明性」など口にしたところで国民は信用しない。