その一方で、名古屋人に負けず劣らず、なぜか敬遠されている土地がある。それは古都・京都。'15年に発売された『京都ぎらい』(著者・井上章一氏)はベストセラーに。

洛中に住む京都人だけが持つ「いやらしさ」「腹黒さ」を改めて感じ、やはり京都人とは仲良くなれそうにないと思った人も少なくない。

そんな「クセモノ」の両雄・京都人と名古屋人だが、近ごろお互いへの敵意をなぜか強めているという。

京都人が「名古屋なんて東京までの通過点。意識したこともありまへん」と鼻で笑うと、名古屋人は「これから開通するリニアは、名古屋は通るけどよ、京都は飛ばされとる」と皮肉たっぷりにやり返す。

そんな両者だが、じつは意外にも共通点が多い、似た者同士でもあるのだ。近親憎悪と言うべきか。

平安朝より日本の中枢として栄えていた京都。信長はもとより家康のゆかりも深い名古屋。任天堂など地元企業を多数構える京都に、名古屋は言わずもがなのトヨタの城下町。おばんざいにあんかけスパと地元グルメもきわめて個性的ときた。

そのためお互いに郷土愛が強く、よそ者を受けつけずプライドが高い。