【安倍晋三】米トウモロコシ爆買いの安倍首相 補助金32億円も申請ゼロ|日刊ゲンダイDIGITAL
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11/08
安倍首相がトランプ大統領から引き受けたトウモロコシ約275万トンの爆買い。
農水省は購入を後押しするため、約32億円もの補助金を用意している。ところが、これまでに一業者も申請に来ていない。
6日の衆院外務委員会で判明した。

 8月25日、仏ビアリッツG7の合間に行われた日米首脳会談後、トランプ大統領が「安倍首相がトウモロコシを買うと言ってくれた」とブチ上げると、
安倍首相は「害虫対策の観点から日本としても購入が必要だ。前倒しして、緊急な形で購入をしなければならないと民間も判断をしている。だから、協力できると思う」と応じた。
 農水省の対応は早かった。翌26日、前倒し購入する民間業者の負担を緩和するため「飼料穀物備蓄緊急対策事業」を省内で起案。
28日には決裁を完了させ、9月24日、すぐに申請できる形式の「実施要綱」を公表したのだ。

害虫被害に困った民間業者が殺到するのかと思いきや、そうではなかった。
6日の外務委で川内博史衆院議員(立民)から、
「補助金の申請有無」を問われた農水省の渡辺毅畜産部長は「申請は上がってきていない。検討している業者がいると聞いている」とお寒い状況を白状した。


■安倍首相「害虫対策」は大ウソ

 なぜ、申請しないのか――。大手飼料メーカーの調達担当者が言う。

「弊社は補助金の申請は考えていないし、同業でも検討しているという話は聞かない。害虫被害が生じているのは、トウモロコシの実や茎を使った粗飼料なのに、
輸入されるトウモロコシは濃厚飼料用です。対策のピントがずれている。補助金を出すと言われてもねえ」

 もし、牛が粗飼料の代わりに濃厚飼料を食べると体調を崩す。全く別物なのだ。農水省が知らないわけがない。粗飼料不足を濃厚飼料で補うことへの補助金は農水省史上初めてだ。

フランスでの首相発言が“異例の補助金”を生み出したのだ。 東大の鈴木宣弘教授(農政)が言う。

「民間事業者に補助金のニーズがないのは、害虫対策とトウモロコシの前倒し購入が結びついていないことを示しています。
害虫対策と称して、安倍首相がトウモロコシの購入を引き受けた行為は民間の会社なら『背任』に当たります。
安倍首相はトウモロコシを購入するのは民間業者と逃げていましたが、もう逃げられなくなった。
トウモロコシを買わなければトランプ大統領が怒るだろうし、買えば国内世論が黙っていないでしょう」

 まさに血税の無駄遣い。国民は怒らなきゃダメだ。