楡周平 著「サリエルの命題」
【あらすじ】日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の
研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現
れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡ら
ない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?

P.383〜
「それを決めるのが政治じゃありませんか。政治では解決できない問題を、国民に丸投げするように聞こえますが」指名を待つこと
なく、くだんの女性記者が甲高い声を上げた。
「人命に関わる方針を国が決めるのかと、さっきあなたはおっしゃったじゃない
ですか。この問題だって同じだと思いますよ」佃は平然と返すと(後略)

佃 = 菅 官房長官
女性記者 = 頭狂新聞社会部記者 望月IS子