遠隔監視アプリ悪用の恐怖

こういった犯罪によく使われることで名をはせているアプリがある。これはスマホが盗まれた時のために遠隔操作でアラームを鳴らしたり、
スマホをロックしたりすることができるアプリなのだが、これをどんなふうに悪用されてしまうのかを知ると、恐怖に身がすくむ。個条書きにしてみよう。
●カメラを操作される
スマホのカメラを起動して写真や動画を撮り、設定したメールアドレスにその画像データを送る。
●録音をされる
スマホのマイクから音声を録音、そのデータを写真と同様、設定したメールアドレスに送る。
●位置情報を知られる
スマホがある位置、つまり持ち主が今どこにいるかがわかる。
●電話の通話履歴を見られる
いつ誰と電話で話をしたのかという履歴や、電話帳のデータの中身を見る。
こうしたアプリは誰でも入手できるし、通常インストール後はアイコンが表示されるので、「こんなの、入れたっけ?」と、
不正インストールに気づくこともできる。だが、似たようなアプリのなかには「不可視化」機能といって、アイコンを表示しないようにできるものもあり、これでは不正インストールに気づくことができない。
iPhoneの場合、アプリはApp Storeからアップルの審査を通ったものしかダウンロードできないので、
こういったスマホ犯罪には比較的安全だとされていたが、冒頭で紹介した事件では、App Storeで入手可能なアプリが使われていた。
ホームセキュリティ用に開発されたアプリが、ストーカーによって悪用されたのだった。
不正インストールからスマホを守れ
ここまで読めば、防止法はただひとつしかないことがおわかりだろう。つまり、「他人に勝手にアプリをインストールさせない」こと。
あまりに当たり前の対策だ。では、そのためにはどうするのか。まずは次にかかげることを守るようにしよう。
●必ずスマホはロックする。
●たとえ恋人と2人きりであろうと、ロックを外したままスマホを放置しない。
●パスワードは推測されにくいものにする。誕生日などは絶対にダメ。
●インストールは他人にお願いせず、自分でする。
●ホームセキュリティアプリや、遠隔監視アプリ、盗難防止アプリを他人に勧められてインストールすることは絶対にしないこと。