貴闘力

絶対ギャンブルはしないと思っていたけれど

それで、(中学校)卒業してから相撲部屋に入ったんですけれど、相撲部屋っていうのは、ほとんどギャンブルばっかりしているような人間が多くてですね。「お前、ギャンブルぐらいできなきゃ、相撲取りじゃないよ」みたいな。

全体の8割、9割はギャンブルしてました。小学校のときにものすごい嫌な思いをして、借金取りに追われて転々と逃げて、「こんな状態は絶対に嫌だな」と、ずっと思いながらしてるんだけど、やっぱりDNAがギャンブルになってるんでしょうね(笑)。

「もう、絶対にギャンブルしない!」と思ってた俺が、ふと、先輩のお相撲さんに「ちょっとお駄賃やるから、馬券買って来い」と言われて、たまたま馬券を買ってしまったんですよ。それが、日頃の行いがいいのか悪いのか、5,000円が40万円になりまして。


関取になったときも、十両に上がったら、化粧まわしとか、いろんなものを作らないといけないので、だいたい400万円くらいの、お金がかかるんですよ。それを相撲協会が出してくれればいいのに、出してくれないで「後援会で集めてこい」って言うんですよね。

普通はそんなのあり得ないんだけど、地元帰ってお金を集めてきたんです。その集めてきたお金を、ちょっと人に預けてたら、それをギャンブルでみんな使われてもたんですよね。

(会場笑)

それで「どうしようか……」とか言って、化粧まわしも作れない、締め込みも作れない。「これはどうしようか……」と思って、部屋の師匠にもうふてくされながら、「400万貸してください」って言ったら、どつきまわされて、「お前、何考えてるんだ!」とか言われてね。

それで、しゃーないから、大井競馬場に行ったんですよ。たまたま、みんなから集めた10万円持ってね。それがまた、日頃の行いがええのか悪いのかわからんで、400万になってもたんです。

(会場ざわつく)