轟く雷鳴の中を走ろう
数パーセントの確率で直撃する中
豪雨の路上には黒焦げの犬
噎せるような死臭と雨音を駆け抜ける
あの家にいれば安全だった
だけど飛び出さずにはいられない
金色に輝く空気が誘うから
それは錬金術師の唱えた呪文のようで
耳元で囁く愛の言葉でもある、だから
雷が鎮むまで走るんだ
ゴールは無い
地面に打つ水の弾丸の嵐で視野は狭い
静けさが終着地点と信じて

拓海でした。