「助けて」。
か細い声で電話があったのは上京から6年たったころ。
迎えに飛んで沖縄に連れ戻した。

息子は精神科に3カ月入院した。
この時の診断は発達障害。それから6年後の今も通院を続けるが、息子の症状は改善するどころか、ヨシエさんの目には自殺衝動が強まったように映る。

月1度の精神科医との親子面談は毎回「変わったことは」などと聞かれて薬を処方され、終わる。
保健所、警察、医療機関?。勇気を振り絞って頼ったが、最近の息子は、以前は大好きだった漫画本さえ手にしなくなってしまった。

写真:上京先で息子が住んでいたアパートの風呂場。ヨシエさんが写真に収めた=2013年、都内(提供)
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