座って動かずにいることは、アルツハイマー病のリスクを増大させる予測因子であるとも見られている。研究チームは
、アルツハイマー病の症例のうち約13%は活動的でない生活習慣が原因だとする過去の研究結果を指摘している。また
、着座時間を25%減らしても、それで減少するアルツハイマー病の発症数は、
世界全体で100万件程度と推計されるとの研究結果もある。



そのほか、座って過ごす時間が長くなるほど、認知能力が低下する可能性があるとの見解も過去に示されており、
これは脳そのものが変化したことによって現れる兆候とも考えられる。UCLAの研究チームによって確認された
神経学的変化は、これらの関連性を適切に説明するものと言えるかもしれない。

炎症の発生など、脳の多くのメカニズムが関係している可能性がある。これらのメカニズムはいずれも、運動に
よって促進されることが分かっている。そのため少なくともUCLAの研究では「影響を相殺する効果がない」との
結論が示されたことは、興味深い点だ。

これまで数多くの研究結果から、座り続けることが心臓病からがん、早死にまで数多くの問題に関連しているこ
とが示されてきた。米国心臓協会は長時間の着座の危険性について、「もっと座らず、もっと動く」ことを呼び
掛けている。体の健康だけでなく、脳の健康にも同じことが言えるのかもしれない。