グリーンスパン氏はFRB議長時代の末期に「コナンドラム(謎)」という言葉を発した。金利引き上げにもかかわらず、長期金利は低下し、伸び悩んだためだ。そこにバブルの兆候をみたのだろう。世界はいま再び「グリーンスパンの謎」の時代にあるようにみえる。

 この不透明な時代に、パウエルは、グリーンスパンの成功と失敗にいかに学べるかが試されている。
政治との距離をはかれなければ、「世界の中央銀行」であるFRBの国際信認は揺らぎ、基軸通貨ドルの信認にも響くだろう。