■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週ぶりに小幅反落、3万円大台を挟み方向感に乏しい展開
 2.週半ば以降は企業の決算発表本格化を控え、持ち高調整の売り圧力顕在化
 3.ドル安・円高は重荷もIMFの世界経済成長率予想の上方修正は追い風に
 4.英投資ファンドによる東芝への買収提案がマーケットでも注目の的となる
 5.週末は朝方3万円台に乗せた後に伸び悩み、プラス圏着地ながら安値引け

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比85円(0.29%)安の2万9768円と2週ぶりに小幅反落となった。
3万円大台を挟み方向感に乏しい展開となった。

 今週は、週初に日経平均が終値で3万円大台復帰を果たしたが、
その後は買いが続かず2万9000円台に逆戻りする格好となった。
ただ、下値を売り込む動きも限定的で週半ば以降は強弱感対立のなか、
狭いゾーンで売り買いを交錯させもみ合う展開となった。

 週明け5日(月)は、前週後半のリスクオンの流れを引き継ぎ日経平均は3営業日続伸。
米雇用統計が事前予想を大幅に上回る内容だったことを受け、
海運や鉄鋼など景気敏感株中心に買われ3月18日以来となる3万円大台を回復した。
しかし、6日(火)は一転して利益確定の動きが強まり急反落。
企業の決算発表本格化を前に持ち高調整の売り圧力が顕在化し400円近い下げとなった。
そして、週半ば以降の3営業日は、売り買い拮抗のなか方向感が定まらず終値ベースで小幅な値動きが続くことになる。
7日(水)は前日の米株市場が軟調だったことや、為替市場でドル安・円高が進んだことなどが重荷となったが、
IMFが21年の世界の経済成長率を上方修正したことが支えとなり、景気敏感株への買いが下値を支えた。また、
英投資ファンドによる東芝 <6502> への買収提案が明るみに出たことで同社株に物色人気が集中した。
8日(木)は手掛かり材料が少ないなか小反落。海運株などが強さを発揮したが、国内での新型コロナ感染再拡大への懸念もあり、
値下がり銘柄数の多さが目立った。そして週末9日(金)は、リスクを取る動きが再び優勢となり日経平均は反発。
もっとも、朝方は買いの勢いが強く寄り後早々に3万円大台に乗せたが、その後は急速に伸び悩む展開を強いられ、
大引けはプラス圏を維持したものの安値引けとなった。