今週(5−9日)の日経平均株価は週初と週末に3万円の大台に乗せる場面もあったが、
上値を切り下げる動きを脱せなかった。TOPIX(東証株価指数)ももちあいの様相を強め、
相場はどっちつかずの状況だ。一方、4月下旬には3月期企業の本決算発表が本格化する。
新年度の収益回復見通しを受けた業績相場入りが実現するかが注目される。

<ハイテク復調も全般上値重く>

今週は米金利の上昇が一服する中で、ナスダック総合指数が復調色を強めた。
東京市場もこれにならい、半導体関連株などハイテク銘柄の一角が騰勢を強めた。
ハイテク依存度の大きい日経平均も支えられ、
週間騰落率はマイナス0.3%とTOPIX(マイナス0.6%)をアウトパフォームした。

ただ、概して上値は重い。バイデン米大統領が打ち出した新たな成長戦略は、
規模は2兆ドル(約220兆円)と大きい。ただ、増税とセットになっている。
マーケットには、好材料ばかりを「良いとこ取り」した昨年の大統領選時のような前のめり感が今はみられない。

それでも、指数の調整がさほど進まないのは、やはり業績回復への期待が大きいためだろう。
日本も含め、新型コロナウイルスの感染再拡大が世界的に目立ってはいるものの、
経済が上向くシナリオは揺らいでいない。緩和マネーは引き続き株式市場を重視している。

こうした局面が転換するきっかけとなる可能性のある要素が、
9日午後16時に発表された安川電機 <6506> の前2021年2月期決算だ。
同時に公表した今期の連結営業利益の見通しは前期比54.5%増の420億円。
市場予想(約430億円)をやや下回るものの、保守的な側面もあるだろう。さらに、
新たな中期計画では来2月期の営業利益目標610億円としており、
これはコンセンサス(約560億円)より強い。