AI搭載の戦闘ロボ、脅威に 
「深層学習の父」が懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN290EN0Z20C23A6000000/
人工知能(AI)研究の権威で「深層学習の父」とも呼ばれるトロント大学のジェフリー・ヒントン氏は28日、カナダで開かれたテックイベントで、将来的なAI活用について「バトル(戦闘)ロボットをつくろうとしている人々がいる」と懸念を示した。「意志を持たず、(ロシアの)プーチン(大統領)のような人の言うとおりに動くようになるとしたら恐ろしい」と述べた。

 ヒントン氏は長年、文章や画像を自動で生成するAI研究の基盤づくりに貢献。2018年にはコンピューター科学のノーベル賞といわれるチューリング賞を受賞した。対話型AI「Chat(チャット)GPT」を開発した米新興企業オープンAIの開発者など、第一線で活躍する多くの人材を育ててきたことでも知られる。

 トロントで開かれたイベント「Collision(コリジョン)」に登壇し、「AIは善良な人に訓練されれば良いバイアスがかかるし、プーチンのような悪い人間に訓練されれば悪いバイアスがかかる」と指摘した。

さらに「私が本当に心配しているのは戦闘ロボットだ」と強調。AIロボが、技術力を持つ国家によって軍事侵攻などに利用されることへの警鐘を鳴らした。