→同じ原子でもエネルギーを吸収すると重くなることがわかった
→新しい質量検出技術を使えばダークマターの正体に迫れるかもしれない

以前より噂されていた「スマホは充電によって重くなるの?」という疑問に対する答えが、ついに得られました。

ドイツの研究によって、単一原子にエネルギーを与えると重くなることが初めて観測されたのです。

これまでにも理論的にはエネルギーと質量は互いに変換可能であることがわかっていましたが、実測による証明(原子レベル)は初めて。

この研究によって、スマホの充電だけでなく、バネの原子にエネルギーを与える機械式時計のネジ巻きですら、スマホや時計の質量を増加させる要因になることが分かりました。

それでは、原子はどうやって自分の重さを変化させたのでしょうか?

原子にエネルギーを与えて重さの変化を調べる

原子の質量変化を測定するにあたって研究者が利用したのはアインシュタインが作った「E=mc 2」という式でした。

この式は、質量が膨大なエネルギー(1gの質量は90兆ジュール)に変換可能であることを示しています。

原子爆弾がその端的な例です。原子爆弾があれほど強力な破壊力を持っているのは、質量をエネルギーに変換する爆弾だからです。

ですが今回、研究者たちは原爆の逆を目指しました。

原子にエネルギーを与えることで、原子の重さの変化を測定しようと試みたのです。

アインシュタインの式が正しければ、エネルギーを与えられた原子は、そのぶんの質量を増すはずです。