このほか18年度の一般入試の補欠合格者の選定で臼井正彦・前理事長(77)=贈賄罪で在宅起
訴=が学務課職員に指示し、名簿で上位の5人を飛ばし、特定の受験生に電話連絡して繰り上げ
合格させていた。

入試委で合否判定をする前に臼井氏や鈴木衛・前学長(69)=同=が学務課職員に「受験番号○○
に○点」と指示、特定の受験生の点数を加点することもあったという。

報告書によると、鈴木前学長は推薦入試の合否判定の入試委員会で「17年度は女性が多かった
から18年度は男子を多く取りたい」などと発言。入試委の意思決定がゆがめられた疑いを指摘した。

ある受験生が不合格となる方向で議論が進んでいたところ、鈴木氏が「関係者なので」と発言し、
不合格にならなかったこともあったという。

東京医大は報告書を受け、追加合格などの検討を始めている。対応方策をまとめ、11月上旬をめ
どに公表する。第三者委には13年度からの6年度分の調査を依頼しており、他の年度の入試につ
いては年内に報告を受ける予定だ。

第三者委は弁護士2人と医師1人で構成。東京医大は8月、内部調査委員会の報告書を公表して
いたが、汚職事件の事実関係が中心だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36843020T21C18A0CC1000/