中国のあまり有名でない大学の医学部では、定員割れという難題を抱えているところも少なくない。
また、大学受験では、点数の低かった学生が志望大学に入るため、
先に基準点の低い医学部に入学し、より「儲かる」前途有望な他の学部に転入するという実態もあるという。
上海交通大学医学部の副学部長・黄鋼氏は、「欧米諸国に比べ、中国における医師の社会的地位と収入はトップレベルではない。
そのため、一部の医学部では優秀な生徒が集まらないという状況も起きている。
結果、中国の医療界は必ずしも社会のエリート集団が集まるところではないのだ」と指摘する。
上海交通大学のようなトップ水準の医学部であっても、毎年5%近くの学生が転部するという。これが名声のあまり医学部であれば、定員を確保するのは容易な事ではない。
より優秀な学生を集めるため、廈門(アモイ)大学の医学部は先般、学費を全て免除する政策を打ち出した。
王さんによると、彼が2006年に入学した医学部で、実際に医者になった人は半数にも満たないという。一部の生徒は薬学部に転部したが、今日の医薬品業界はスキャンダルが相次ぎ、医療のイメージダウンに追い討ちをかけている。