自分にとって大事に思っている人が病気になったのを聞いて、
御病気御気分さえ良く御成りになったならば、
急に病気になった人が居る時に、
病気が治ったと云う知らせを聞くのもとても嬉しい。
亡くなった姫君は十歳位で父君に先立たれなさった時、
なかなか暮れない夏の日に一日中物思いに沈んでいると、
誰かが咲き零れて美しい桜の花よと口ずさんだので其の声を院がお聞きになって、