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◆ネットで公表のホームレス体験に大きな反響
 そんな中、1月に内田さんと共著で児童書「みんなふつうで、みんなへん。」を出版した歌人・作家の枡野浩一さん(52)が
「あなたを助けたい。ホームレスになったことを公表したらどうか」と助言。
今月11日、インターネットの作品投稿サイト「note(ノート)」に「とうとうホームレスになってしまった」と題して一連の経緯を発表したところ大きな反響があった。

 生活保護法は、無料・低額宿泊所などへの入所を強制できないと規定。
定住先がなくとも、生活保護を受けてアパートに入居することも可能だ。
 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛さんは
「住まいのない人が生活保護を申請した際、無料・低額宿泊所への入所が前提のように説明する自治体は少なくないが、施設入所の強制は法律違反。
内田さんのように漫画家として実績のある人に転職を促すのも、あってはならない対応だ」と批判する。

◆「個々の生き方に合う支援を」
 内田さんは「役所の人は親身になってくれたが、創作が認知されていないのだと感じた。私にとって創作は呼吸と一緒で、一つの型にはめてほしくない」と話す。
当面は生活保護は申請せず、noteへ作品を発表するなど漫画家として再起を図りたいという。
 個展は25日まで新宿区荒木町の「コーヒー&ギャラリー ゑいじう」で開き、原画など約30点を展示・販売する。開館時間は各日午前11時〜午後7時。