「漫画家やめて日雇い労働を」と言われ生活保護断念 30周年記念個展でホームレス状態脱却を目指す内田かずひろさん:東京新聞 TOKYO Web
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漫画家の内田かずひろさん(56)が、東京都新宿区でデビュー30周年を記念した個展を開いている。
内田さんは昨年末、住んでいたアパートから退去を迫られ、野宿も経験。
生活保護も、行政が窓口で申請を抑制する「水際作戦」によって受けられなかった。
ホームレス状態の内田さんは個展を足がかりに再起を図るが、生活困窮者支援について「個々人の生き方に合う支援をしてほしい」と、自身の経験を踏まえて語る。

◆仕事減にコロナ禍で追い打ち、アパート取り壊し…
 内田さんは1990年にデビュー。親しみやすい画風で、代表作に犬の「ロダン」の視点で何げない日常を描いた「ロダンのココロ」がある。
アニメ「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」のキャラクターデザインを担当した。
 ここ数年は仕事が減り、コロナ禍が経済的に追い打ちをかけた。
住んでいた都内のアパートは取り壊しのため昨年末で退去を求められ、年明け後は知人を頼って寝泊まり。
アパートを新たに借りる資金がなく、生活保護を受けようと地元の福祉事務所に相談した。

 しかし応対した職員は、定住先のない内田さんが生活保護を受けても、アパートでなく福祉施設の無料・低額宿泊所に入るしかないと説明したという。
さらに当面は漫画を描かず日雇い労働で生活基盤を整え、準備を進めている30周年記念の個展もやめるよう言われ、申請を断念した。
 知人宅にもいられなくなった内田さんは、寝袋を使って凍いてつく公園で眠れぬ夜を過ごしたことも。
現在は友人宅に住まわせてもらっているが、不安定な状態は続く。