>>840-841続き
この専門家はそこから引き起こされる最悪のシナリオを憂慮している。

「インバウンド振興が潰れかねません。
 先ほど、『五輪後の努力も大事』と言いましたが、コロナ禍がひどくなった状況下で政府や都が観光事業を推し進めようとしても、骨組みである民意や現場の協力は得にくくなる。
 負のレガシーだけが残って観光立国の計画が停滞し、インバウンドの土壌が激減したら、本末転倒です。
 中長期的に見たら(五輪中止で試算される)4.5兆円よりもはるかに大きな経済損失を招く可能性があります。
 そもそも4.5兆円にしても、マクロ経済の視点で見ると、それほど大きな金額ではありません。
 『開催しないと日本崩壊』という論調も耳にしますが、まやかしです。損をする業界はごく限られています。 ←★損をするのは電通か
 コロナや経済などさまざまな側面がありますが、正直、今年は無理に開催しなくても……。どうしてもやるなら、無観客ですかね」

 前出の谷口氏は「現状、外国では感染が拡大している地域もありますし、ワクチン確保の問題ひとつを取っても国同士の貧富の差が可視化されている。
それなのに『自国だけ良ければ』と開催するのは身勝手すぎる考え方ではないでしょうか。
五輪の存在意義ともかけ離れてしまう」と危惧する。

 アスリートや目先の利益のためだけに大きなリスクを負う必要があるとは思えないのだ。