地震でまたも飛び交ったデマや差別発言 桁違いの拡散、どう対処? - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210214/k00/00m/040/249000c
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13日深夜に福島県と宮城県で震度6強を記録した地震をめぐっては、
またも差別的な発言やデマ、不確実な情報がツイッターやユーチューブなどで飛び交った。
災害のたびに同じような現象は起きている。
かつて関東大震災ではデマがきっかけで朝鮮半島出身者らへの虐殺も起きた。しかし、当時に比べ、今は情報の広がるスピードが桁違いに速い。
そうした悪質な情報にどう対処したらいいのか。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

■「井戸に毒を投げ込んだ」
 地震の直後からツイッターで目立った差別的なデマは「朝鮮人」や「黒人」などが「井戸に毒を投げている」というものだ。
1923年の関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」「暴動を起こした」などのデマが流れたが、それをまねたとみられる。
当時はそのデマを真に受けた市民らによる朝鮮半島出身者や中国人らへの虐殺事件が各地で起きた。

■千葉県の「爆発」は人々の勘違い
 災害時にデマが流れやすいのは、人々に不安があるためだ。そのため、悪意はなくても事実と異なる情報が広がってしまうことも多い。
 今回は千葉県市原市の臨海部で爆発が起きたとする複数の動画や画像が拡散された。確かに工場施設の排気筒から炎のようなものが出ているように見える。
しかし、市原市消防局によると工場施設での爆発や火災は確認されていない。同市に石油関連施設を持つ会社関係者によると、
石油製品生産プラントでは常に余ったガスを燃焼させているが、地震による停電で装置を止めたために多くのガスが排出され、普段より炎が多く発生したという。それを見た多くの人が勘違いしたとみられる。