>>895続き
 ――そんな中、かつて小池さんとカイロ市内で同居していた女性から情報提供があった。それを基に、文藝春秋18年7月号で「虚飾の履歴書」を書くに至ったのですね。

 文藝春秋に書くまでに月刊誌に小池さん関連の記事を3本書いてきました。それを読んだ同居女性が私宛てに手紙をくれたのです。
手紙には「あなたは小池さんのうそに気づいている」「記事を読んで確信しました」と書かれ、「あなたに打ち明けたい話がある」とあった。
その後、実際に話を聞き、検証を経て、小池さんが学歴を詐称していると確信しました。ウソにウソを重ねて物語を作っていると思いました。

 ――本の中では、76年7月に落第し、卒業がかなわなくなった小池さんと同居女性の衝撃的なやりとりが描かれています。落ち込む小池さんは一時、日本に帰国。
ところが、同年11月にカイロに戻ってきた際に手にしていた新聞に「カイロ大学を卒業した小池百合子さん」と書かれていた。
これに驚いた同居女性が「そういうことにしちゃったの?」と尋ねると、小池さんは「うん」と一言。
要するに、小池さんは新聞社の取材に虚偽の説明をしたということになります。カイロ大卒という物語を作り、世の中を渡っていったわけですね。

 自分を世に売り出すためには、皆が飛びついてくれるような魅力的な物語が必要。小池さんはそれをどんどん作ってしまう。事実でないことを事実のように語って売り込んでいったのです。
相手を面白がらせて自分の注目度を高めることを繰り返し、その手法を学んでしまった。うまくいくものだから、高をくくってしまったのではないでしょうか。

 ――よく、そんなにうまくいきますね。

 それは、マスコミを味方につけたことが大きいと思います。カイロ大卒というのも、まず新聞に書いてもらうわけです。
記者はエジプトやカイロ大、アラビア語の知識がありませんから、小池さんに言われたままに書いてしまう。
その後、雑誌に取り上げられ、次にテレビに売り込むという流れでしょう。