>>95のつづき)

このあと、なぜか俺も指導室に同室することになり、やり取りは続きました。
さとるとその両親、担任の先生、公文の職員を前に、
俺はさとるとの間に起きたことを洗いざらい話しました。


初めは「解き方を教えて」という依頼だったから学力の手助けと思って教えたが、
 月日がたつにつれて「解け」「書け」という代筆依頼へとエスカレートした。
◆ 代筆依頼に限らず学校生活のいろんな場面にあったことだが、
 俺はさとるの口癖「一生のお願い」を100回、いや何百回と聞かされ、うんざりしていた。
◆ 公文の宿題を代筆する作業は、嫌なものでしかなかった。
◆ 一連の代筆作業のせいで、俺の勉強時間がかなり削られた。
◆ 宿題を丸投げする目的がゲームする時間欲しさだったということを今日知った。

さとるの両親は、「一生のお願いなんて言葉、どこで覚えたのかしら。」と
あきれ顔でした。

先に帰っていいと先生に言われたので、俺は指導室から出ました。
しばらくすると、威勢のいいホッペタピシャーンの音が聞こえてきました。
聞かなかったふりをしてそのまま下校しました。

(つづく)