>この智には、見はありて相は無し。
 >相無くして取る、相をば取らずに説けるが故に。
 >見分はありと雖も、而も無分別をなるをもって、能取に非ずと説けり。
 >取ることは全無に非ず。
 >相分は無しと雖も、而もこれ如の相を帯して起こると説くべし。
 >如に離れざるが故に。
 >自証分見分を縁ずる時に変せずして縁ずるが如く、此れも亦た応に爾るべし。
 >変じて縁せば便ち親しく証するに非ずなんぬ。
 >後得智の如くまさに分別あるべし。
 >故に応にこれには見のみありて相はなしと許すべし。
 >加行の無間に此の智の生ずる時に、真如に体会す、通達位と名ずく。
 >始めて理を照らすが故に、亦た見道と名ずく。
 >(成唯識論)