朝倉を苛立たせ、物議を醸したガードマンは一体何者なのか。

 名はジジー・マック(本名レイ・サデギ)。米メディア『MMA Junkie』などの情報によれば、イラン出身の彼は、幼少期は医者の父を持つ家庭で裕福な生活を送ったものの、15歳の時に両親の離婚によって生活が一変。アメリカに渡って母とマンハッタンのワンルームマンションで、苦労を重ねてきたという。

 それでも朝晩働き資金を稼いだジジー・マックはポーランドの医大学に入学。卒業後はふたたびアメリカに戻り、医学系の道を歩みながら、柔術をマスター。総合格闘家としてのキャリアをスタート。そして2013年に同じジムにいたメイウェザーにスカウトされる形で、ボディーガードマンとしての職に就いた。

 かつて米メディア『Respect』の取材に応じた際に「フロイドのために働くことは俺の情熱だ。彼を守るためならブルース・リーとでも戦う」と発言していたジジー・マック。そんな彼の“挑発的な防衛”は、実は以前にも話題となっていた。それは2017年にメイウェザーが、当時、世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」でカリスマ的地位を確立していたコナー・マクレガーと対峙した時だった。

 朝倉と同様に記者会見に臨んだ際に、ジジー・マックはメイウェザーに迫るマクレガーを挑発。しかし、この時は、世界屈指のトラッシュトークスキルを誇るアイルランド人戦士に「ステロイド漬けの七面鳥みたいなやつは黙ってろ」「お前は薬漬けの情けないやつ」と辛辣に返され、まんまと“ネタ”にされていた。

 そうした経歴や過去を考えれば、朝倉に対する行動も“予想通り”というべきなのかもしれない。いずれにしても、引き続きジジー・マックを含めたメイウェザー陣営の行動は話題を集めそうだ。