新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、欧米で注目が集まるのは、高齢者だけでなく若年層の感染や死亡の報告が増えていることだ。米国では、2020年3月24日にロサンゼルスで17歳の男性が、
25日にはサンディエゴの自宅で自主隔離中だった25歳の男性が新型コロナ感染症で死亡しているのが発見された。28日にはイリノイ州で0歳児の死亡も報告されている。

斎藤孝医師:はっきり言って、怖い。怖くなってきている。
        というのも、今は感染症にかかって入院してくる患者さんが20〜40代ばかりだからです。これまでは、65歳以上の高齢者や心臓や肺に疾患を持っている人が中心でしたが、今はそうではなくなっています。
        なぜかは分かりません。何も治療歴のない健康そのものの屈強な男たちがいきなり、急性呼吸不全(ARDS)になって自発的な呼吸ができなくなり、重篤化、死に至るというようなケースを毎日のように目の当たりにしています。
        退院は近いかな、と思うような患者さんでも、いきなり重篤化するのがCOVID-19の恐ろしいところだと感じています。
        日本の方々はこちらで起きていることを「遠い国の出来事」と思われているかもしれません。でも、(人が密集して暮らしているという状況は)東京もニューヨークと変わりません。日本では感染者数が少ないといっても、
        それは検査数が圧倒的に少ないから。症状はないけれども、ウイルスは持っているという人がすでに数多くいると考えた方がいいでしょう。
        症状はないけれども感染はしている人たちが多くいる可能性が高いのに、いまだに電車通勤をしているなんてあり得ないことです。「自粛」と言う言葉を使うからいけないのかもしれません。そんなことを言っている場合ではない。