女子フィルターや学歴フィルターはいわば会社ぐるみだが、採用担当者によって独自のフィルターをかけている人もいる。

その一つが「AOフィルター」である。一般入試ではなく面接と小論文のみで受験するAO・推薦入試による入学者が近年増えている。
「平成29年度の国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、私立大学の入学者のAO入学比率は11%、推薦が41%で計52%を占めている。
AO・推薦入試では、本人が大学に入って何をやりたいのか、具体的なビジョンがあることを重視する。学力だけではわからないポテンシャルを評価するものだが、
採用担当者の中には「基礎学力が低い」と見なし、面接で落とす人もいる。
例えばメガバンクの人事関係者は、「面接ではAO入学かどうかをそれとなく聞き出し、AOだとわかれば選考から外している」と言う。
つまり一般入試で合格したという事実だけを評価し、入学後の成長度合いを評価しない偏差値至上主義であり、その構造は学歴フィルターと同じである。
じつはAO入試=基礎学力なしという基準で体育会出身の学生を評価する企業もある。