山田市15歳の時の作品。久坂は花も恥じらう19歳。

   久坂玄瑞(実甫)が東武(江戸)に行くを送る

 君今鞭打って去る。去きて何れの時にか帰らん。
 東海妖氛暗く 芙蓉(富士山)独り巍々たり。
 長剣腰下に鳴り、易水壮士の志。
 決然たり丈夫の別れ、また千古の思いを為す。
 行程(道中)君自愛せよ。浙々として寒風吹く